さて、今回は株式投資信託を換金するときの税金の取扱いについてご説明します。換金には、償還によるものと、償還まで持たずに途中で換金する場合とがあります。投資信託を途中で換金するには、運用会社が投信の契約そのものを解除して換金する「解約請求」と、販売会社が投資信託を買い取る「買取請求」の2通りの方法があります。「解約請求」での換金や償還まで持った場合の利益は税法上配当所得としての扱い、「買取請求」の場合は税法上、譲渡所得としての扱いになります。
どちらで解約するかにより確定申告の有無や税金の取扱いが変わってきますので、詳しく内容を見てみたいと思います。

「解約請求」で換金して利益が出た場合や償還まで持って利益が出た場合の利益は解約時・償還時の分配金として取り扱われるため、配当所得として10%(2009年4月以降は20%)の税金が源泉徴収されます。確定申告は不要ですが、確定申告をしたほうが有利になる場合は確定申告をする事も可能で、この場合他の所得と合算して総合課税扱いとなり、税額控除としての配当控除が受けられます。
解約請求での換金時、償還時の利益は配当所得としてみなされ、株式等の譲渡損益とは損益通算できません。ただし、投資信託で損している場合(元本よりも低い基準価額で解約した場合)は、株式等で儲かった分や株式投資信託を買取請求で解約した場合の利益と損益通算でき、上場株式と同じように損失の3年間の繰越控除も使えます。ただし、解約請求で解約した場合の値上がり益との損益通算はできません。
また利益が出た場合、購入時に支払った手数料は経費という扱いにはできないということにも注意が必要です。たとえば購入時に3%の申込手数料を支払っていたとしても、実際の元本部分だけが元本とみなされ、これを上回った部分に税金がかかります。反対に、損失が出た場合は経費として認められます。

「買取請求」で換金した場合は値上がり益、値下がり損とも譲渡所得として10%(2009年1月以降は20%)の申告分離課税となり、原則確定申告が必要となります。「買取請求」での換金では、利益と損失がお互いに損益通算可能ですし、上場株式等の損益や株式投資信託の解約請求で換金した場合の値下がり損とも損益通算ができます。また、3年間の繰越控除も使えます。申込手数料の取扱いについても、利益が出た場合、損失が出た場合どちらにも経費として含める事が可能です。つまり、申込手数料を3%支払っていたとすると、実際の元本に申込手数料を加えた部分を元本とすることができるということです。
また、株式などの特定口座に株式投資信託を入れることも可能で「源泉徴収あり」の場合は確定申告は不要となります。
以下、換金時の税金の取扱いについて表にまとめてみましたので参考にしてみてください。
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税率 |
確定申告 |
株式・株式投信との損益通算 |
損失の繰越控除 |
解約請求 (配当所得) 償還時 |
10%の源泉徴収 |
不要だが確定申告することも可能 |
利益の場合はできない 損失の場合はできる |
申告すれば3年間の繰越控除が可能 |
買取請求 (譲渡所得) |
10%の申告分離課税 |
必要だが特定口座で源泉徴収ありの場合は不要 |
利益・損失ともできる |
申告すれば3年間の繰越控除が可能 |


以前、こちらのコーナー「いまどき投資信託事情〜2」で、新興国に投資するBRICs(ブリックス)、VISTA(ビスタ)関連の投資信託が相次いで設定され、大きく値上がりしていて、大人気になっているという事を書きました。
これらの投信が現在、世界的な株式相場の低迷を受けて大きく下落しています。国内型の株式投信もかなり値下がりしているのですが、新興国関連のものはさらに大きく下がっています。投信評価会社のモーニングスターの、海外の株式で運用する投資信託の調査によると、一番大きく下落したのはアジア・オセアニアの株式で運用するもの、次が中南米や東欧諸国などのエマージングで運用する投信だったそうです。株式相場の下落に加えて、2007年夏のサブプライム問題以降、為替が円高に動いた事も大きく影響しています。ただし、これらの動きも新興国の長期的な成長から見れば絶好の買い場だという見方の投資家も多いようです。
以前、「BRICs、VISTA関連の投信は、ある程度、リスクに対して抵抗力のある投資家向けの投資信託だと言えるでしょう」と書きましたが、まさに今、それを試す機会でもあるのではないでしょうか。
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