チャート分析は、市場における価格変動や出来高の推移をグラフ化したものを視覚的にパターン化し、その後の株価の方向性を読む方法です。また、移動平均線などのテクニカル指標を使用したテクニカル分析とあわせて利用されることが多く、マクロ分析やファンダメンタルズ分析と違い、視覚的にパターン認識し直近の株価の方向性を判断する方法であることから、個人投資家にも扱いやすいマーケット分析方法として、古くから存在するものです。
そして、企業のファンダメンタルズやマクロに左右されずに取引を行う、デイトレーダーなどの短期売買を好む個人投資家の多くが用いているマーケット分析方法でもあります。
今回は、そのような、個人投資家にも扱いやすいチャート分析の基本的なパターンをいくつかご紹介していきます。
チャート分析のチャートパターンには、株価の天井や底やトレンドの転換を示唆すると言われるものや、トレンドの継続、保ち合い状況からの変動を判断できるものがあります。基本的なものを分類してみると以下のようになります。
■株価の天井圏、底値圏を表すチャートパターン
ヘッドアンドショルダーズトップ・ボトム(図1参照)
ダブルトップ・ボトム(図2参照)
V字トップ・ボトム(図3参照)
ソーサートップ・ボトム(図4参照)
| 図1: |
|
 |
 |
| 図2: |
|
 |
 |
| 図3: |
|
 |
 |
| 図4: |
|
 |
 |
■保ち合いからの上昇下落パターン
ペナントパターン(図5参照)
L字パターン(図6参照)
| 図5: |
|
 |
 |
| 図6: |
|
 |
 |
これらのチャートパターンは、株式市場だけではなく為替や債券、商品先物、その他デリバティブなど様々な市場で古くから多くの投資家に使用されているため、パターンとして大衆心理が働くものと考えられています。そのため、その精度は信頼できるものとして現在でも一つの判断方法として利用され続けています。
しかし、実際に日本の株式市場でのデイトレードで使用してみるとパターンの精度の良し悪し以前にそのパターンが現れにくいといった根本的な問題に直面します。
それは、日本の株式市場のようにザラ場の時間が短く、前場、後場に区切られていることで、株価の値動きのサイクルが少ないことが要因と言えます。例えば、一日の株価の方向性が上昇であってもマーケットの時間が短いために上昇トレンドの中のサイクル的な値動きが少ない。また、前場終了後からの中休みでのバスケット取引の動向等によって前場と後場の状況が一変するなどが原因としてあげられます。
そして、実際に日本の株式市場と米国の株式市場では、これらのチャートパターンの出現頻度に違いがあります。日本の株式市場は、4時間30分(大証は4時間40分)ですが、米国の株式市場は6時間30分と長く、前場後場の区分もありません。また、米国の株式市場では最低呼び値が全て1セント単位であることで、日本市場よりも総じてTICK数(※)が多く、イントラデイチャート(日中足)でも価格変動のサイクルが多く現れ、チャートパターンの出現頻度も多い市場となっています。
日本市場ではデイトレードという取引スタイルや株価チャートなどがデジタル的に見ることが可能となってから歴史が浅く、他市場や米国などから孫受け的に流れてきた、これらの判断手法に頼る個人投資家が多いことは仕方ないと言えます。
しかし、主に米国の株式市場や一日24時間動いている為替市場で考案されたものが、日本の株式市場で同じように利用できるのか、また視覚的なパターン認識だけでのトレードスタイルが長期間、有益に通用するものなのか、各々でよく研究し学習するべきでしょう。
| ※ |
「TICK数」とは、市場での約定回数のこと。市場における約定ベースの値動きのことになります。そのため、TICKチャートというチャートがありますが、これは市場での約定ベースごとのチャートということになります。 |
|